家庭教育学級レポート
子供の健康と親の役割
「熱中症の予防と対策 ―車内置き去りはホントにこわい」
これからの時期、怖いのが熱中症です。
私達が子供の頃はよく「熱射病」とか「日射病」とか言っていましたが、今はその両方をあわせて「熱中症」と呼びます。
「熱中症」とは、体内に熱がこもり全身の機能低下がおこることで、ほうっておくと死にいたってしまいます。
「車内に置き去りにされた子供が亡くなる」という痛ましいニュースが新聞やテレビなどで毎年問題になっていますが、「そんなことをするのは一部の特別な人で自分には関係ない」、窓を開けていれば大丈夫」「短時間でもどってくれば平気」などと思ってしまって、なかなか自分に身近な問題としては考えられないといった事はありませんか?
本当に「窓を開けていれば」「短時間なら」大丈夫なのでしょうか。
今年の夏、かわいい我が子を守るために、ぜひ正しい知識と対処法を学びましょう。
以下の実験は、今回 講師を担当された方が、実際にご自分の車を使って調べてくださったものです。
実験にあたって
使用したもの
☆ 車 (軽自動車) 車体の色は濃い目、5ドア、リアとバックドアの窓にスモーク加工、前面UVカットガラス
☆ 温度計
☆ アルミ製カーシェード(2枚)
疑問 1 短時間で戻ってくれば大丈夫か?
実験1 窓を締め切った状態で後部左側のチャイルドシートの上に温度計を置いて、5分毎に温度を計測した。
天候 晴れ、 外気温 31℃、 風 ほとんど感じない
路面 アスファルト、 時間帯 7月中旬 午前10時 (陸前高田市)
※ 前日からフロントガラスと後部左側(チャイルドシートがつけてある)の窓に、アルミ製のカーシェードをつけておいた。
その状態でも 実験直前の車内温度は50℃を越えていた(計測不能)
駐車中の路面は 土 である。
実験2 窓を5cmずつ開け、フロントガラスと後部左側(チャイルドシートがある)の窓にアルミ製のカーシートをつけた状態で、チャイルドシートの上に温度計を置いて5分毎に温度を計測。
天候 晴れ、 外気温 35℃、 風 ほとんど感じない
路面 アスファルト、 時間帯 7月中旬 午前11時 (陸前高田市)
実験結果から
1 窓を締め切ったままでは短時間でもすぐに高温になり、非常にキケンである。
2 たとえ窓を開けていたとしても、5cm程度ではあまり意味がない(上部の空気しか移動せず、子供がいる下部の空気は暑いまま)
全ての窓を全開にすれば、違った結果になったかもしれないが、防犯の観点からもすすめられない。
また、アルミのシェードをしていても高温になるので、過信できない。
3 短時間で戻ってくるつもりであっても、思わぬトラブルや知人と話し込んでしまったりなど、考えていたよりも時間がかかってしまうことがあるかもしれない。
たとえ短時間であっても、窓を開けていたとしても、子供を車内に残してその場を離れるのは大変キケンです。特に、直射日光が当たる助手席にチャイルドシートを置いている場合は、さらにキケンです。
疑問 2 曇りや雨の日は大丈夫か?
実験 3 窓を締め切った状態で、後部左側のチャイルドシートの上に温度計を置き、10分ごとに温度を計測。
天候 くもり、 外気温 19.5℃、 風 ほとんど感じない、
路面 土、 時間帯 6月下旬 午前10時 (陸前高田市)
実験 4 窓を5cmずつ開けた状態で、後部左側のチャイルドシートの上に温度計を置いて、10分毎に温度を計測する。
天候 くもり、 外気温 19℃、 風 ほとんど感じない、
路面 土、 時間帯 6月下旬 午前11時 (陸前高田市)
実験結果から
1 曇っていて外気温が高くなければ、車内の温度はそれほど高くならない。
しかし、窓を閉め切った状態では外気温より10℃ちかくも上がってしまう。
また 天候が変わって晴れ間がみえたりすると、気温も上昇するので注意が必要。
2 路面が土でなく、コンクリートやアスファルトだと、照り返しなどで違った結果になったかもしれない。
曇りの日でも、思ったよりも車内は高温。
子供は車内に置いていかず、一緒に連れて行く習慣をつけましょう。
それでも熱中症になってしまったら・・・
初期症状
☆ 体が熱く、ほてる
☆ 足がふらつく
☆ ボーっとする
☆ 手足にけいれんがおこる
早く熱を外に出そう
1 0.9%の食塩水を飲む。もちろんスポーツ飲料もOK。
2 冷たいタオルを あごの下の頚動脈に当てる。
3 体全体に水を吹きかけて、気化熱を利用して体温を下げる。
→ 病院へ
熱失神・熱疲労の処置
・ 涼しい場所に、足を高くして寝かせる
・ 衣服をゆるめ、水分・塩分を補給する
・ 手足の先から心臓の方向にマッサージするのも効果的
熱射病の処置
・ 死亡の危険もある緊急事態なので、一刻も早く病院へ
・ 濡れタオルや水を掛けてあおぐ
・ 足を高くして、心臓に血液をおくる
・ 首やわきの下、足の付け根などの太い血管を氷などで冷やす
その他 気をつけること
1 チャイルドシートの金具はかなり高温。やけどの事例もあるようです。チャイルドシートにはカバーをつけましょう。市販品でなくても、大きめのバスタオルを利用して、車から降りたときにカバーとして上からかければ十分です。
2 運転中も子供に直射日光が当たらないように、日除けをつけてあげるなどして熱中症を防ぎましょう。
3 外出時には水やお茶などを携帯し、のどが乾いたと感じる前に少量づつこまめに飲みましょう。
一気に飲むと、水分は全身にまわる前に尿として排出されてしまいます。
4 車内に温度計を置いて、車内温度を確認できるようにしましょう。
5 「スプレー式化粧水」や「ねつさまシート」などを携帯しておく。
スプレー式化粧水は、濃い目に淹れた緑茶を冷ましてスプレー容器に入れて使うと、手足に吹きかけると気化熱で涼しくなるほかに、日焼け止めの効果もあります。
ただし、防腐剤などは入っていないため、こまめに洗って作り直すようにしてください。
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